教育研究所
№889「ダメ教師時代の懺悔」
実は,私は若い頃,小学校2校で9学級400人ほどの子どもの担任をしていたことがある。その頃は,若くてそれなりに情熱があり,子どもたちのために一生懸命頑張っていたつもりであった。
ところが最近,児童心理2018年9月号「特集:子どもの心をつかむ先生」を読んで,愕然とし,学級担任をしていた頃のことを懐かしむというよりほろ苦く思い出した。
本当にそうだ。子どものことを考えているというのは思い違いで,ロール・テイキング・アビィリティズ(注:相手の心や頭の内側に立って,相手の世界すなわち考えていること,思っていること,望んでいることなどを思いやること・考えること・発想すること)することができていないことに気づいたのだ。役割取得能力が全くなかったのだ。自分のいいと思っていたことを子どもに押し付けていただけだったのだ。
本当に申し訳なかった。ダメ教師だったのだ。子どもにとっては,誠に迷惑な教師だったのだ。今頃気づいて,反省しても,誤っても済む話ではない。連日,TVをにぎわしているパワハラ問題どころではない。だから,若い先生方に,本書をざっくり読んで(本当は精読していただきたい),子どものためになる教育とは何か,子どもの心がわかる教師とは何かを是非とらえて,明日から教室で実行していただきたい。(H・K)
(2018年9月25日)