教育研究所
№891「矛盾」
ある本で,秘かに尊敬しているH氏が「未来のことを考えるのは嫌いだ。未来を想像した所で実現できるとは限らない。未来を想像して怯えるより,今を一生懸命生きることのほうが大事だ」(記憶に自信がないが)というようなことをおっしゃっている。
ところが,読み進めていくと「僕の頭の中には未来の姿がある。だから目の前の現実にもどかしくなる。僕の見ている未来を皆さんに知って欲しいし,これからの時代に踏み出してほしい」とも言っている。将来のことを考えるのは嫌いだといいつつ,人工知能を備えたロボットの時代をいかにうまく生き抜くかを考えている。
浅学菲才の身ながら前段を抜きにして,後段から始めれば「もっと素直に読めたのに...」との感想を持ってしまった。そして,「どんな盾も付きぬく槍」と,「どんな槍でもはねのけてしまう盾」を,声高に宣伝し売っている例のことわざを思い出してしまった。
でも,どうと言うことはない,全編を貫いているH氏の明解な論理と実行できそうな実践論にいささかの曇りもない。さて,H氏のその本の題名は...? (H・K)
(2018年9月27日)