教育研究所
№892「導入課題の工夫」
中学数学通信「コンパスcoMpass2018年秋号」(教育出版)の特集は,「主体的な学びを生み出す導入課題」である。算数・数学科では,子どもの興味・関心や生活上の課題をもとにして展開するのがやや難しい教科である。それだけに頼っていると,難しく,結局「算数・数学科の指導内容の必要性」からということで,教師から一方的に与えることが多くなるからであろう。
そのような教科の特性からくる難しさを超えて,「導入課題の工夫」に取り組んだ具体的な提案は,とても参考になった。
谷地元直樹先生の決定問題の形で提示する(求答タイプ,選択タイプ,正誤タイプ,発見タイプ),予想をもとに課題を見い出す,比較しながら考え合う場面の設定は,なるほどと納得し,算数科でも使えそうだ。
田中真樹子先生の「やらなくてはいけないこと」から「やってみたいことへ」は,導入課題(素材)の工夫が,子どもの追究意欲をくすぐり,自分事としての学習にのめりこむことが伝わってきた。
小石沢勝之先生の主体的な学びを生み出す導入課題の2つの視点「一見すると,何の関係もないように見えるが,ある視点を通してみることによって,2つの数量の関係が見えてくる」「一方を規則的に変化させると変化の仕方,規則性,意外性が見えてくる」も,具体的な課題を例示していて早速試したい。(H・K)
(2018年9月28日)