教育研究所
№899「今どきの若い者」
70歳までは高齢者とは言わないなどと話題になっているが,「今どきの若い者は...」と言い出した時から高齢者だともいわれる。ものの本によると,いつの時代にも,高齢者が若者の至らぬ言動をとらえて「今どきの若者は...」と,大昔から言っていたようである。
高齢者になった自分が,この言い方を使っている事実を最近,地下鉄東西線高田馬場駅で目撃した。
老夫婦(ヨロヨロの夫とノロノロの妻)が,駅の階段(西船橋方面行き)を降りていた。そこを屈強な若者が,この老夫婦を突き飛ばさんがごとき勢いで押しのけて階段を駆け下り,今にも発車しようとしている電車のドアをこじ開けて乗り込んでいった。
老夫が,「まったく~!」という老妻に,「今どきの若い者はしょうがないんだよ,張り合ったらこっちが怪我をするからね」と返していた。
そういえば,高齢者の座席をさっと横取りする高校生,優先席で楽しそうにスマホゲームに興じて,ふらふらしている老人を立たせている若者が少なくない。
高齢者が理解しがたい芸術に打ち込むとか,「あっ」と思わせるような発想をするとか,高齢者を超えることによって「この頃の若い者は・・・」と言わせてほしいものだ。 (H&M)
(2018年10月11日)