教育研究所
№908「遠隔教育??」
かつて東京都に教育研究所が2つあった頃,「僻地教育」について,僻地にも教育があり充実させることが重要であるが,「僻地教育」という教育は存在しないと言い張って顰蹙を買ったことがある。(ちなみに私は伊豆諸島の三宅島の出身で,僻地(遠いところ又はせめて不便なところと言ってほしかった。海と緑の美しい素晴らしい故郷だよ!)といわれるのがつらかった。) ということで,遠隔地の教育をどうしたら本州並みにすることができるかと考えるべきで,「僻地教育」という誤解を生むようなことは言ってほしくない。
記憶に間違いがなければ,数十年前のことであるが,遠く離れて学校に通えない子供に対して,無線機を使って個別指導しているオーストラリアの教育の仕方を知って,素晴らしい実践だと感激したことがある。
失礼ながら「遠隔教育」というネーミングにイチャモンを付けたが,遠隔教育(注:遠隔地における教育)の推進に向けたタスクフォースが策定した「遠隔教育の推進に向けた方針」の内容は,素晴らしい発想と優れた方策であると敬意を表したい。どこにあっても,質の高い教育を保証するべきだとの関係者の熱い思いが伝わってきた。僻地で育ったものとして,この方針の一日も早い実現を期待したい。
(H・K)
(2018年10月24日)