教育研究所
№911「丸谷才一先生なら・・・」
丸谷才一先生は,1925年(大正14年)8月27日生まれで,2012年(平成12年)10月13日に黄泉の国へ旅立つまで,小説家,エッセイスト,評論家,翻訳家として活躍した方である。
最近,丸谷才一著「完本 日本語のために」を読んだ。平成23年3月初版の新潮文庫であるが,昭和49年8月刊行「日本語のために」と昭和61年1月刊行「桜もさよならも日本語」を合本し,さらに「考える人」平成12年冬号掲載の「日本人はなぜ日本語が好きなのか」を加えたものだという。内容は,教科書の教材文に対するコメントやその扱い方,子供の創作などについて,日本語をもっと大事にするべきだと様々な視点から具体的に指摘し,提言している。日本人として,「その通り!」とガッテンし,学ぶことが多かった。
ところで,この本を読んだ直後だったので,朝のNHKテレビでの気象予報士が,「青空が見えてきたかなあと感じます」と言っていたが,青空が見えているなら「青空が見えてきました」,見えてきそうなら「もうすぐ青空になりそうな空模様です」などと,はっきり予想できないのなら「昼頃には青空になることが予想されます」といった方がいいと思った。もし,この場に丸谷才一先生がいらっしゃたらどのように評されたであろうか。(H&M)
(2018年10月29日)