教育研究所
№918「大学入試改革の影響」
「PROG白書2016 現代社会をタフに生き抜く新しい学力の育成と評価―2020年大学入試改革を見すえて―」という本が学事出版から刊行された。大学の入試の質が変われば,義務教育9年間や高等学校の学力の質(中身)が変わるのではないかと,素人なりに考えていたのでさっそく読んでみた。
小中学校には,学校教育法第30条第2項(知識・技能,問題を解決するのに必要な思考力・判断力・表現力等,主体的に学ぶ態度)を,新学習指導要領では資質・能力の3つの柱(知識・技能,思考力・判断力等,学びに向かう力や人間性等)を求めているが,大学入試が知識・技能の量的側面を重視するかに見えることから「予測が難しい現代社会を逞しく生き抜くために必要な学力の育成・定着・維持・向上」と「その評価」につながりにくかった。
消える仕事・残る仕事・生まれる仕事(新しくなる仕事),内閣府の「人間力」,経産省の「社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素」,文科省の「キャリア教育における基礎的・汎用的能力の4領域8能力」,カリキュラム・デザインと学力の3要素の係わり,育成すべき資質・能力を踏まえた教育課程の構造化,アクティブ・ラーニング(≒主体的・対話的で深い学び)型の授業や評価(テスト),OECDのコンピテンシー概念と国研の21世紀型能力の関係などの視点から,一貫性のある「新しい学力」について考えていきたい。 (YAYU)
(2018年11月15日)