教育研究所
№931「思考力,判断力,表現力の評価」
現行の指導要録の評価から「思考・判断・表現」という観点になった。「結果だけではなく,その過程を含めて評価すること」が特に重要で,例えば「自ら取り組む課題を多面的に考察しているか,観察・実験の分析や解釈を通じ規則性を見いだしているかなど,基礎的・基本的な知識・技能を活用しつつ,各教科の内容等に即して思考・判断したことを,記録,要約,説明,論述,討論といった言語活動等を通じて表現したこと」を通じて評価するとなっている。
これは文科省の「通知」及び「評価基準の作成のための参考資料」によると,前の「思考・判断」から現行の「思考・判断・表現」になったことに関連して,「表現」が加わったことについて,「基礎的な知識・技能を活用しつつ,各教科の内容に即して考えたり,判断したりしたことを,児童生徒の説明・論述・討論などの言語活動を通じて評価すること」を意味し,「思考・判断した過程や結果を言語活動等を通じて児童生徒が表出しているか」を内容としているという説明をしている。
要するに効果等の特性によって多少は異なるが,「見いだした課題(問題)について,既習事項や既有経験を活用して考え,判断したことや結果を,言語活動等によって表現し,その過程や結果を吟味してまとめる」ことがどのようであったか評価するということであった。
さて,新学習指導要領に基づいて,「資質・能力の3つの柱」や「主体的・対話的で深い学び(≒AL)」などによって,「思考・判断・表現」や「主体的に取り組む態度」,「知識・技能」の観点の趣旨がどのように進化するのか,まもなく出る文科省からの新しい指導要録の「通知」が楽しみである。 (H&M)
(2018年12月11日)