教育研究所
№938「我が子は教師の鏡」
大学で教員を目指す学生たちの授業を担当している。毎回,ワークシートにさまざまなことについて書いてもらい,コメントを付して次の授業で返却する。学生のさまざまなつぶやきに,いろいろと考えさせられたり,ハッとさせられたり,反省させられる日々である。
『教職概論』という授業の際に,「なぜ,教師を目指すのか」「理想の教師像」について書かせた時に,ある学生が次のように書いていた。
「私の母は小学校の先生をしています。よく母から仕事の話を聴くのですが,いつも母のクラスの子供になってみたいなあと思います。自分の母だからそう思うのかもしれませんが,なるなら母のような先生になりたいです。」
この文章を目にした時,教師をしている自分の娘のことが頭に浮かんだ。私は娘に,学校の話をほとんどしたことがないが,教師の私に対して憧れのまなざしを向けたことは皆無である。自分の母親をこのように語れる娘は素晴らしいと思った。そして,この学生の母親は,きっと母親としても,教師としても素晴らしい方なのだろうと思いながら読ませてもらった。
私はこの学生に,「お母様にお会いして,子育てについて,そして,日々の教師としてのお仕事についてお聞きしたいと伝えてください」とコメントして返却した。(S・E)
(2019年1月28日)