教育研究所
№950「無知なるが故のAIへの恐怖」
「AIは,人間の仕事の80%を奪う」「AIが,人間をしもべにする時代がやってくる」などなどと喧伝されている。無知な私は,「それはそれで何とかなるでしょう」と楽観的に捉える一方で,「それは大変だ,どうすればよいのか」と焦る気持ちもあり,「ならば,人間がその存在価値を維持し続けるために,これからの教育はどうあるべきか」と硬直した脳みそを叱咤しているところである。等々と,思いめぐらせている。
月刊高校教育2019年2月号の杉山将「特別インタビューAI社会で人間が考えること」を読んで,もっと冷静に考えることが必要だと痛切に感じた。
そもそもAI(Artificial Intelligence=人工知能)とは何か?,AIは人間を超えるか(AIが人間を超えるシンギュラリィティ=Technological Singularity=技術的特異点)が話題になり人間社会を脅かすというが,「なくなってしまう仕事」というのは,「シンギュラリティはいつごろ」か,「人間は少しおびえすぎている」のか,「AIは教員にとって代わるのか?」,「AIに負けないよう子供に新しいことを指導すべき」という風潮があるが,「人間社会はAIを受け入れられるか」,「AI時代を生きるのに必要な力といらない力」などについて,理化学研究所革新知能総合研究所の学者らしい冷静な論を展開している。 (H&M)
(2019年3月12日)