教育研究所
№955「南半球では,地図の上は南?」
オーストラリア(南半球)では,地図の上は「北」ではなく「南」になっている。まことしやかに話す人がいるが,現地の日本人学校に勤めた友人によると,事実は,オーストラリアでも地図の上は「北」だそうである。現地の小学校の子供が使っている地図を見たというから事実であろう。
ところで,日本で,上が「南」の地図を使っていた人がいるが,誰だか分かりますか?
台東区根岸に,終の棲家「子規庵」を構えた正岡子規である。子規は地図好きで知られている。上が「南」の地図にしたのは,「家の中で光が差し込む南に向けて地図をみるため」ということである。出歩くことのままならない子規ならではの発明である。(要約引用:讀賣新聞2016年1月29日「しあわせ小箱・根岸散歩5「豆腐料理・笹乃雪」奥村雅夫」)
そういえば,「笹乃雪」の向かい側の根岸小学校に勤務していた頃,奥村正雄さんとそのグループの方々から子供たちに俳句の指導をしていただいたことも懐かしく思い出した。
余談になるが,古代エジプトの地図では,ナイル川が上から下に流れるように,「南」を上にした地図を使っていたそうだ。中世のアラビアの地図も上が「南」だったそうだ。そうそう,中世のヨーロッパの地図に上が「東」のものがあるそうだ。地図の上を「北」にしたのは16世紀頃かららしく,北極星の代わりに「北」を確認するためらしい。(確認していないので,単なる話題として,深読みをしないでほしい)(H&M)
(2019年3月19日)