教育研究所
№960「誤植と誤変換と誤入力」
最近,誤植に関する新聞記事を見た。学生時代,新聞部に所属し,校正に悩まされたので,学生と学性,教育と数育,植物と殖物,労働者と労動者,休講と休溝などなど,誤植に関わる苦い体験を思い出した。そして,新聞記事にも同様の尼僧と屁僧,大使と大便,大帝と犬帝などを例として挙げていた。
これらの誤植には,共通していることがある。それは,原稿を見ながら活字棚から活字を拾っていくという仕事の中で起こる「誤植」ということである。しかし,現在は,活字を拾うという紙面づくりはなくなっているので,このような「誤植」は皆無である。
現在は「誤植」というより「誤変換」やキーボードの打ち間違いによる「誤入力」によるものが大部分である。その例を挙げてみよう。「あるある...!」と,多くの人が体験しているので共感してくれることであろう。
放火後に勉強をした(放課後に勉強をした),焼酎学校(小中学校),実子が大切(実施が大切),学習家集う(学習活動),納戸も入れた(何度も入れた),ことあるごと日本史を頼った(ことあるごとに本誌を頼った)などは,誤変換である。
風呂ジェクト&ブロジェクト(プロジェクト),プライ橋(プライバシー),蛾くせえ(学生),馬穂(スマホ,SUMAHOのSが抜けた)などは,キーボードの打ち間違い(癖,近くのキーを押してしまった,ローマ字入力で一部押さなかったなど)である。
思わぬ面白さに,年金暮らしの貧しさを瞬時忘れることがある。(H&M)
(2019年3月27日)