教育研究所
№967「63歳のクラス会」
うららかな春の日の午後,上野の精養軒(大衆的な方の店)で,最初の教え子のクラス会が行われた。東京オリンピックの翌年の4月6日,3年2組の教室で出会ってから55年の歳月が過ぎ,もう63歳になっている。毎年のようにしているが,今年もけっこう集まった。
容子ちゃんは書家になり毎年作品展に出品している。与ざくんは大腸がんの手術を克服し宮古島から元気に参加した。あっちゃんは研究者として素晴らしい業績を残し続けている。おやびは,家業の薬局に精力的に取り組み,甘えん坊のご主人と目に入れても痛くないお孫さんに顔をほころばせている。孝ちゃんは,ディズニーランドのデザインをする一方,アメリカを旅して所感を英語でSNSに発信している。まっちゃんは,50の手習いで弓道をはじめ,いろいろな大会で実績を残し,なんと5段の腕前で,6段を目指して挑戦中である。なっちゃんは,大病で生死をさまよったが元気を取り戻し,エクボの大きなほっぺを笑いで一杯にしている。もっともっと元気になってね。石は,マンションの内装工事の社長として現役で,前向きに頑張っている。近ちゃんは,子供4人,孫8人に囲まれ充実していて,小学校時代と同じようにクラス会をワイワイガヤガヤと仕切っている。みんなそれぞれに人生を背負っているが,幸せな雰囲気が伝わってきて,生きるエネルギーをたくさんもらった。来年の再開を約して,それぞれの生活の場へ戻っていった。教師冥利に尽きるというものである。
いつも来る大ちゃんやふうちゃんはあれこれあって,ハセと順ちゃんは一瞬も目を離せないお母さんの介護で,残念ながら参加できなかった。(H&M)
(2019年4月5日)