教育研究所
№971「時間割のあれこれ」
定期購読のY新聞朝刊(平成31年3月29日付)で,文科省が「小学校第5学年の時間割では,週31単位時間が上限」(要約)という通知を出した。文科省調査では,2018年度の授業計画を調べたところ,小学校約20000校のうち4分の1の25.7%で,年間1085時間,週当たり31時間を超えていたそうだ。(悉皆調査をしたのでしょうか? 国会で問題になったような調査ではないでしょうね!)
ちなみに,学校教育法施行規則第51条別表第1によると,小学校第5学年の総授業時数は1015時間となっている。ただし,特別活動は学級活動のみで,クラブ活動や児童会活動,学校行事などは踏まれていない。
つまり,1015÷35=29で,クラブ活動や児童会活動,学校行事などを入れると29時間を超える。しかも,3学期制をとっていると,始業式と終業式で年間の各教科等の授業日数は1週間短くなって,実質34週になる。ということは,1015÷34=29.85 約30時間になり,学校週5日制であるから,30÷5=6で,毎日6時間授業となる。これに,クラブ活動などを入れるとたちまち週31時間になってしまう。上限週31時間というよりどうやっても31時間(要するに,6時間の日が4日,7時間の日が1日)以上にならざるを得ないということになる。
何人かの校長先生・教頭先生に伺ったところ,「入れ物の容量より多くの物を入れる」という新学習指導要領自体の「指導内容」と「授業時間数」が,???ということであった。でも,何とか工夫して,子どもたちに「質の高い教育を保証する」とともに,「教師の働き方改革」に着実な成果を上げたい,ということであった。(H&M)
(2019年4月11日)