教育研究所
№983「ブラックホールの実在」
ブラックホールは,100年以上も前に,天才的物理学者アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論によってその存在が予測されていた。しかし,映像としては確認されていなかった。(註:釈迦に説法の感は拭えないが,ブラックホール(black hole)とは高密度&大質量&強力な重力のため,物質はおろか光さえも脱出不可能な天体のこと) それが,日米欧など8か国の電波望遠鏡が協力して,地球規模の天体望遠鏡を作ってブラックホールの映像を捉えることができた。実に11年間もかけて,平成31年4月17日に見事に成し遂げたのである。
ブラックホールの撮影に,日本の参加者の一人に国立天文台教授の本間希樹(ほんままれき)さんで,8か所の観測データを組み合わせて1枚の画像にする難しい課題に挑戦し続け,そのプログラムを開発した中心的な役割を果たした。本間教授の個人の能力とともにチームの協働的な取組による創造的な過程と成果に感激した。
一人一人の優れた能力が,協力し合って,大きな創造的な仕事を成し遂げるということで,これからの学校教育の在り方を示しているような気がする。
今,各学校・教師が取り組んでいる「主体的・対話的で深い学び」を,個々の児童生徒の資質・能力を最大限に伸ばしていく「主体的な学び」,それらを協働・総合して課題解決に生かし合っていく「対話的学び」,それらを集約・整理して個人としてもチームとしてもさらなる課題の発見や解決に発展させられるようにしていく「深い学び」と,捉えることもできるのではないかと「妄想(確信とは言い切れなかった)」した。 (H&M)
(2019年5月14日)