教育研究所
№985「スマホもほどほどに・・・」
スマホを持っていない人は,少ない(ガラ携を含めると,95%を超えるという)。だから,持っていない人は珍しい人で,ましてや駅のホームや階段,バスや電車の中でスマホを扱っていない人は変人と言われそうである。
ところで,スマホであれこれ調べたり,動画を見たり,ゲームをしたり,SNSでひっきりなしに送信したりたえず返信を確認したりするのは,手軽であまり頭(脳)を使わないのだと思っていたが,脳神経学者の枝川義邦先生によると,そうではないらしい。絶えず,脳を刺激し続けるので,脳はその情報を整理しようと頻繁に激しく活動するので,使い過ぎ状態になり「脳が過労状態」になるというのである。
その上,辞書等で調べたり,じっくり考えたりするのではないので,「データをきちんと吟味して判断したり,筋道立てて論理的に考えたりする能力を育てる」ことにはならないらしい。ということで,タブレットなどITを活用した学習は,「便利さ」や「簡単さ」を求めるあまり,面倒とも思える「実体験」を通して学ぶことも重要だと言ことであろう。
その上,スマホを使いすぎると,「怒りっぽくなる」「物覚えが悪くなる,記憶力が弱くなる」「気持ちが落ち込みやすくなる(気が沈みがちになる)」「スマホを持っていないと何となく不安になる」などなどの困ったことが起こりがちになるという。
スマホに限らないが,「ほどほどに!」ということであろう。子供たちに,「スマホの適切な使い方」を指導する時代になったということであろう。(電車の中で,スマホに夢中で,ぐずる赤ちゃんに無関心,自分はスマホに集中して赤ちゃんには動画を見せて静かにさせている...というような光景を見るにつけ,この赤ちゃんが成長した令和の時代は...と,考え込んでしまう。)(H&M)
(2019年5月16日)