教育研究所
№994「3つの幸せ」
N小学校の学校だよりの巻頭言で,K校長先生が3つの幸せ,「もらう幸せ(誰かに面倒をみてもらったり,助けてもらったり,親切にしてもらったるすると幸せを感じる)」,「できる幸せ(自分で何かができるようになると,自分でできると幸せを感じる)」「あげる幸せ(誰かのために何かができた,親切にできた,人のために役立ったなどしてあげることは幸せを感じる)」について書いていて,久しぶりに感じ入った。
連絡して,そのことを伝えたら,恐縮して,実はイエローハットの創業者鍵山秀三郎社長が,各学校で講演している「3つの幸せ,『してあげる幸せ」は最高の幸せです」に学んだということである。
誰に聞いたか忘れたが(覚えるのは相変わらず得意なのだが,最近思い出すのが苦手になった),「報徳見聞記68」に似た話が載っているということを教えられ,図書館で調べてみた。二宮尊徳先生が小林平兵衛さんの農地を訪ねた折,仏壇に「諸人無愛敬諸道難成就」(諸人愛敬なければ,諸道成就しがたし=諸人に愛敬を受けなければ,道は成就しない)とあるのを見て,「こんなことを本当に信じているのか!」とお叱りになったそうだ。
そして,「本当に諸道を成就しよう」と思ったら,「諸人救助なくして,諸道成就しがたし(人と生まれたからは,諸人を救助することなくして,諸道成就することなし)」と,つまり「人を救い助ける心を持ち,その心をもっと広げ,真心をもって救い助けるべきだ」と,諭されたそうである。
いかにも二宮尊徳先生らしい教えである。卒業した故郷の神着小学校の桜の古木のそばにあった薪を背負いながら本を読んでいる「二宮尊徳像」を思い出した。 (H&M)
(2019年6月6日)