教育研究所
№995「地球にやさしい生活は,誰のため?」
中国が2017年(平成29年)末に,日本をはじめ外国からのプラスチックごみの輸入を禁じた。その影響で,日本の各地ではプラスチックごみが置き場所もないくらいになっているそうだ。
それに遅れること1年余,日本政府は,プラスチックごみの輸出を実質的に停止する方針を固めたという(2019年,令和元年5月10日報道)。
ところで,我が市では,プラスチックごみ(再利用できるので,ごみということには抵抗があるが。洗っても落ちない程度に汚れてしまったものは燃えるゴミ)は,燃えるごみと分別して有料で回収している。でも,この辺で根本的に,プラスチックの使用そのものを検討し,即実行すべき時に来ているように思われる。
毎日の食事の調理をした際に,ちょっと周りを見回してみれば,いかにプラスチックの多いいことか。商店は食品を衛生的に販売するために,消費者は簡便に持ち帰り保存するために,プラスチック製の容器や包装は極めて便利なものである。
しかし,人間の便利さの一方で,海洋はプラスチックごみに汚染されており,海洋生物がプラスチックを飲み込み命を落としている状況がある。このままでは,自然環境は悪化し,やがては,人間の生命,生存を脅かすことにならないだろうかと危惧する。これは,決して少数の心配症の者のみが抱く感情だけではないように思われる。
自分だけの都合,自国だけの利益,人間だけの生存を超えて,多面的・多角的,根本的に様々なことを考えて,環境教育を洗い直していくことが必要な時期に来ていると思うこの頃である。(H&M)
(2019年6月7日)