教育研究所
№996「教え子の成長,それが教師の生きがい」
はがきや手紙を書かず,メールでやり取りする時代である。にもかかわらず,時々の近況報告,暑中お見舞い,年賀状など時候の挨拶を,はがきや手紙(直筆が減り,パソコン入力が増えつつあるが)で知らせてくる教え子の存在は誠に嬉しいものである。
先輩のM先生は,孫がいるような昔の教え子に招待されてクラス会に参加するのを生きがいにしている。社会人として様々な分野で活躍している教え子の話をニコニコ顔で聞いて,生きるエネルギーをもらっているそうである。教師になってよかった!と。
まだ現役のK先生は,年に1回都合のつくものだけで飲み会・お茶会をして,あれこれ情報交換をしているそうだ。K先生の学級経営や学習指導への感謝や辛口の感想,人生のいろいろな自慢話,相談ごと,ぼやきなどを一緒にワイワイガヤガヤやって楽しんでいるそうだ。教師になってよかった!。
教え子が何人も教師になったH先生は,一緒に現在の子供の指導の在り方を語り合うことがあるそうだ。その時,自分自身のあの頃の指導の至らなさを反省することで胸を詰まらせるそうだが,教え子の冷静な分析と改善案や提案に感心しているそうだ。反面教師とは自分のことだと思うことしきりと述懐していた。
新しく先生になった人,学級経営に不安を感じている人,学習指導に自信を無くしている人などなど,人には相談しにくく一人悩んでいることがあるかと思います。誰もが通る道で,心配には及びません。
まず,子供と一緒に遊び,子供と一緒に勉強し,子供と一緒にお喋りをして,過ごしてください。その上で,先輩の学級経営や,学習指導や,子供との関わり方を見て,「いいな!」と思ったことは「真似」をしてみてください。「真似」ではうまくいかないと思いますが,それをちょっと工夫・改善してみてください。この連続が,「自分流」の学級経営や学習指導を創ることになります。また,「困ったこと」や「心配事」や「悩み」などを,自分の胸に閉じ込めず,先輩に質問したり,相談したり,悩みを聞いてもらったりして,発散させるようにしてください。「困ったこと」や「心配事」や「悩み」などがあるということは,あなたが教師として「子どもにいい教育をしよう」という気持ちを持っていて,そうなりたいと思っている素晴らしい資質があるという証です。(H&M)
(2019年6月10日)