教育研究所
№997「子供にとっていい母でなければ...」
新聞の「人生案内」に,小さな子供と一緒に外出するのは,「迷惑をかけること」が気になって,億劫になっている。「子供にとっていい母であれと考えているが,どうしたらいいですか?」というものがあった。
これに対する回答者(恵泉女子学院大学長)の助言にえらく得心した。「良い母」とは,誰にとってであるか。他人はとかく様々に言うが,所詮は「自分個人の意見」や「一般論」に過ぎず,「あなた」や「あなたの子供」に当てはまらないことが多く「参考程度」にしたほうがいいと助言している。
さらに,子供は騒ぐもの,泣くもの,気にすることは無い。迷惑を掛けて,何か言われたら「すみません」ではなく「ありがとうございます」を心掛けたいくらいであると助言している。(実際に,バスや電車の中では,赤ちゃんや子供のことに文句を付けたり嫌な顔をするのは,若い人や働き盛りの人が多く,高齢者は「可愛いな!」という表情でにこにこと見ていたり,あやしたりする人が多い)
これは,校庭で遊ぶ子供たちの大声,遠足や社会科見学の電車の中のたのしそうな子供たちの会話などなどにも,同様のことが言えそうである。一定の指導はするが,子供の素直な喜びや感動の声に,神経質になり過ぎる必要はないということになりそうである。教師は,「子供にとっていい教師(大人)」であるべきだということであろう。
うろ覚えであるが,「子供叱るな来た道じゃ,年寄り笑うな行く道じゃ」ということわざがあるが,TVや新聞の児童虐待や老人への暴力の報道に接し,はっきり「子供ちゃんと育てろ(虐待するな!)来た道じゃ,年寄り粗末にするな(乱暴に扱うな)行く道じゃ」とはっきり言いたい。(H&M)
(2019年6月11日)