教育研究所
№998「伝統と改革の間」
学校改革について校長先生の学校経営ぶりが話題になっている。私も,校長経験があるが,あの頃だから何とか務まった。今だったら退職を勧奨されていたかもしれない。でも,実際には難しいものであることが分かる。あくまでも参考として,コメント抜きで,いくつか匿名で紹介する。
【宿題を出さない】A校:子供の自主的(自分からする,自分でする)な学習態度を育てるため,宿題を廃止した。家庭の教育力(口出し?)が高く,塾通いの多いので,宿題の廃止は歓迎されている。B校:保護者の仕事(両親とも勤務)が多忙で,家庭で子供の学習に物理的に関わりにくい,塾通いの少ないという状況で,学校が計画的に出す宿題,学年の発達段階によっては自由学習は,保護者からも子供からも歓迎されている。
【学級担任を固定しない】C校:「学年団」という組織を作り,「学級担任」を固定せず複数の教員が「学年」を共同担任することにしていた。しかし,子供に対する理解やきめ細かい指導・対応ができにくいことが続いた。そこで,学級担任を固定し,副担任を付けるように改善した。D校:ずっと続いてきた学級担任制度を廃止した。そして,教師の特性を生かし合い,子供や保護者の求めや悩みに最適に対応できるようにするために,複数の教員が学年全体を共同して担当するように改善した。
【保護者からの連絡,学校からの連絡はパソコンで】E校:学校からの連絡は,学校便り,学年・学級だより,給食・保健・生活指導だよりなどをプリントで配布している。欠席などの連絡は,連絡帳に書いて近所の友達を通じて行っている(電話連絡も可)。緊急連絡は,スマホで連絡し,そうでない家庭には固定電話(留守の時は困っているそうだ)で連絡している。F校:欠席・遅刻・早退などの連絡は,メールで連絡を受け,担任は,画面で確認できるように改善した。また,緊急連絡等も,スマホかメールで連絡し合うことに改めた。学校だよりをはじめ学校からの連絡は,プリント配布を廃止し,メール配信に改めた。(H&M)
(2019年6月12日)