教育研究所
No.557「交際を断られて恨んだ」
新聞やTVの報道で,最近,男女の交際を巡るトラブルが殺人など生命の危険に発展するケースが多いように感じます。
予備校生Kさんの殺人容疑で逮捕された少年が,殺人を認め,その理由を「交際を申し入れたが,それを断られて恨んでいた」という供述には唖然としました。人間としてのぬくもりが全く感じられません。Kさんも少年も独立した人としてかけがえのない人格を持った存在です。それぞれが,自分の生き方や希望に沿って生きていくことは当然です。自分の思い通りにならないからと言って,相手の生きる権利を奪うということが許されないことが分からないのでしょうか。Kさんには,志望大学の合格通知が3日後に届いたそうです。何ともやり切れない気持ちで胸が張り裂けそうでした。
だから学校教育でとは言いません。社会人が,学校が,家庭が,地域が,小さな乳幼児から児童,生徒,学生,青年に至るまで,何かを教えていかなければ,気づかせていかなければならないことが欠落していそうな気がします。そして,大人の私たちが,当然のこととしてモデルであり続けることが大事なような気がします...。(K・H)
(2016.4.8)