主体的・対話的で深い学びの具現化と協働的な学びの実現に向かって

学習指導要領の改訂、GIGAスクール構想などによって、学校教育は変革の波にさらされています。学校(教育)現場には、教育の不易や授業づくりの軸足を確認しながら、多様性への配慮やDX(デジタル・トランスフォーメーション)といった喫緊の課題を、学びの変革へとつなげていくことが求められています。
教育出版の教科書は、学習指導要領が目ざす主体的・対話的で深い学びを具現化すべく、また、1人1台端末の活用により加速する個別最適な学びも意識しながら、子ども主語の学びの実現を展望するものです。学ぶことと社会・世界とのつながりを大事にしながら、子どもたちの主体性を喚起して学びのかじ取りをゆだねつつも、協働的な学びや教科の見方・考え方を大事にして学びの深さにつなげる、そのための工夫がちりばめられています。そこでは、教師にとっての指導や支援のしやすさのみならず、子どもたちにとっての学びやすさへの配慮もなされています。さらに、資質・能力ベースのカリキュラムを実現すべく、各教科の特性を大事にしながら、教科横断的な視点や教科間のつながりもさまざまに考慮されており、カリキュラム・マネジメントの活性化につなげていくこともできるでしょう。
京都大学大学院准教授 石井 英真