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誰一人取り残すことのない、多様性を考慮した教科書づくり

名越 斉子の写真

 子どもたちはみな学習者として個性的です。一人一人の認知能力、文化、興味、性格、経験などはきわめて多様ですから、興味のもち方、理解や表現しやすい方法は、誰一人同じではありません。教育出版では「全ての子どもたちが、分け隔てなく、公平に受けられる教育」を支えることのできる教科書づくりにチャレンジしています。

 まず、クラスにいる特別支援教育を必要とする子どもを想定し、特別支援教育が培ってきた個に応じた指導の視点を取り入れています。また、上述の子どもたちの多様性を考慮し、ユニバーサルデザインやカラーユニバーサルデザインを意識しています。

 例えば、学びのバリアになりやすい複雑なレイアウトや情報過多を避け、重要事項を捉えやすくすることで、多様性に応じるための柔軟性が高まるようにしています。また、見やすい色や書体やレイアウト、思考をガイドするマークや線の使い方など、教科の内容とは異なる観点で工夫をしています。 さらに、デジタル化したときの見え方や使用方法も考慮し、教科の特性を生かしつつ、より簡潔にわかりやすい紙面になるよう、ページごとの学習の流れや配置にも気を配っています。ぜひお手に取って確かめてみてください。

埼玉大学教授 名越 斉子