こうしてみよう! Small Talk
第6回
Small Talkの提案 〜『ONE WORLD Smiles 5』 Lesson 5 I can run fast.〜
Lesson 5のSmall Talkでもこれまでの単元と同様に、児童のより確実な内容理解につなげるためには、実物や写真、絵カード等の準備が必要です。さらに私は一歩進めて、「◎(とてもじょうずにできる:can ... very wellの意味をもたせる)、〇(じょうずにできる:can ... wellの意味をもたせる)、△(できない:can't ...の意味をもたせる)」の3種類のプラカードを準備したいと思います。ここでは児童に、「とてもよくできる(とてもじょうずにできる)」と「よくできる(じょうずにできる)」の意味の差異について、視覚的に補助しながら理解してもらいたいためです。
また、この単元のSmall Talkでは、これまで学習してきた「動詞」を数多く取り込み、定着を図ることが可能です。canを用いたコミュニケーション活動は、さまざまな方法やアクティビティの実践例が報告されています。ただし、Small Talkを構成する際に欲張ってしまい、あれもこれも...と詰め込みすぎると、本来の目的から遠く離れた学習になってしまいます。アクティビティとSmall Talkのねらいの違いには、十分配慮しましょう。
Small Talkの提案
Lesson 5のSmall Talkを私自身が行う場合の、展開例を示します(単元の中間もしくは後半での実施を想定しています)。
準備物
● ◎(can ... very wellの意味)、〇(can ... wellの意味)、△(can't ...の意味)のプラカード
● 指導者が得意なスポーツ、楽器等の小道具(例ではギター、卓球のラケット)
T:(ギターをケースから出して児童に示す)Look at this. What's this?
S:Guitar.
T:Right! This is my guitar. I have seven guitars. This is my favorite guitar. I can play the guitar very well.(◎のプラカードを示したあとで、短い曲を演奏する) I love this guitar. I sometimes sing some songs. S1, can you play the guitar? Can you play the guitar well?
S1:Yes. I can play the guitar.(◎、〇のどちらかのプラカードを示す)
T:Oh! (児童が◎のプラカードを示した場合)You can play the guitar very well! Wonderful. (次に卓球のラケットをケースから出して児童に示す)I can play table tennis very well, too.(卓球の動作をして◎のプラカードを示す) Can you play table tennis? How about you, S2?
S2:Yes. I can play table tennis well.(○のプラカードを示す)
T:Good!
T:How about takeuma? I can't play takeuma.(竹馬の動作をして△のプラカードを示す) How about you?
(このようにやり取りを何人かと繰り返す。一度に全員が答える場合は、手で◎(大きく〇)、〇(小さく〇)、△を示すなど、答え方を工夫できるとよい。)
活動にあたっては、多くの子どもができるが一部の子どもが「できない」と答えそうな内容は避ける、あるいは指導者もできないことを「できない」ことの例として使用するなどして、「できない」と答えることによって子どもの自己肯定感が下がらないように配慮するとよいでしょう。逆に、珍しい特技をもっている子どもがいれば、多くの子どもに「できない」と答えさせてから、その子に聞くなどして、クラスのいろいろな子どもの特技や才能をみんなで認め合えるような活動にできるとよいでしょう。
第7回は『ONE WORLD Smiles 5』 Lesson 6 Where do you want to go?のSmall Talkの提案です。