低学年でも,課題解決学習を意識した授業づくりをすることは必要ですか。
【答え】
低学年だからこそ,学習することの楽しさを実感できる課題解決学習は必要です。
【なぜ】
課題解決学習には,次の3つのよさがあります。
- 今日学ぶことは何か⇒学習のゴールがわかるから楽しい。
- 何をどのように学ぶのか⇒学習の過程がわかるから,学習に取り組みやすい。
- 何がわかったのか,できるようになったのか⇒「できた・わかった」を実感することができ,もっと学びたくなる。
課題解決学習は,学び手である子どもが主体です。今日は何がわかるようになるのか,何ができようになるのか,学習者自身が事前にゴールを知ることにより,目的意識が明確になり,意欲的に学習に取り組むことができます。
さらに,ゴールに達したときには,ゴールと対応させて確認することでわかるようになったのか,できるようになったのを実感することができます。学びの喜びが味わえるのです。ブラックボックスのように,何を学ぶのかわからないまま学習していると,ゴールが見えないため,言われたとおりに活動しているだけで,時間が過ぎたら終わっていた。今日はなんだったのだろうと,学びの喜びも実感もないままになってしまいます。このような学習を続けていたら,子どもは学習する喜びを見出すことができるでしょうか。学習のスタートラインに立ったばかりの入門期だからこそ,学習することの楽しさや意味が主体的に実感できる,課題解決学習が必要だと考えます。
【方法】
単元全体の流れとその課題を示して学習することが望ましいのですが,初めは一時間ごとの課題を示すようにし,学習スタイルに慣れてきたら,単元全体を示す取り組みに移行します。
例えば「今日は,○○ができるようになりましょう。」と課題を示します。課題は,この時間にどのような力をつけるのか,評価規準と連動します。つけたい力が具体的に見える課題を示します。
さらに,入門期における課題解決学習の指導のカギは,そのために何をするのか,具体的な活動を示すことです。課題の具体や,活動の具体的イメージを明確にして授業に取り組めば,つけたい力と評価規準,学習活動がぶれることなく,子どもたちをゴールに導くことができます。授業準備の時には,この二つの内容を明確にしておくことが重要です。
学習経験を積んでくると,何を解決したいか,どうすればゴールにたどり着くのかを子どもが考え,取り組むことができるようになります。初めは先生から示し,課題とは,具体的な活動とは,どのような内容かを学び,力をつけていくようにしましょう。