2拍子や3拍子を感じ取らせたいと指導しても,拍子打ちの形はまねをしても音楽と合わない手拍子をしていて力がついていきません。
【答え】
2,3拍子の曲をなるべく多く表現・鑑賞させることが重要です。
【なぜ】
子どもたちは音楽を聴くと自然に体を揺らしたり手拍子を打ったりします。自然な反応でそのまま楽しませたいところですが,よくみていると音楽に合っていない子どももいます。拍子に気付く,拍子を感じ取ることが十分でないのです。
拍子は音楽を形づくる基になるものです。拍子の特徴を感じ取ることができれば,音楽の世界,表現も鑑賞も広がります。ですから低学年での指導は,拍や拍子,リズムが中心で,これらを実感できるよう身体表現を通して指導を重ねていくのです。
では,なぜ2拍子と3拍子なのでしょう。それは拍子の違いが明確で,拍子を比べながらその特徴を感じ取ることが容易だからです。
例えば2拍子と4拍子は似ていて,その違いは大人にも難しいところですが,2拍子と3拍子の違いは子どもにもわかりやすいのです。音楽に合わせて歩いてみるとその違いは歴然ですね。2拍子は行進曲ですから当然歩けますが,3拍子は踊りの拍子です。歩くことはできなくて子どもたちは笑い出してしまいます。ですから拍子への気付きとその特徴を感じ取るには,身体表現を通して実感できる指導をすることが大切なのです。
拍子の特徴を感じ取ることができれば,音楽の楽しさを感じ取り,感性を育むことへと広がります。
【方法】
既習教材を含め,多くの2拍子3拍子の歌を歌う,鑑賞することです。
まずは,音楽に合わせて拍打ちをします。特に3拍子は拍子を感じ取りやすいので繰り返し拍打ちをしていると,自然に3拍子を感じ取って拍子打ちに変わってきます。1拍目を足で,2,3泊目を手で打つなど,その表現を工夫し始めます。子どもたちの中に気付きがみられない場合は,教師が例を示し指導しましょう。そして,2拍子と3拍子の音楽を数曲ずつ織り交ぜながら,表現・鑑賞を繰り返し行うことが重要なポイントです。子どもたちは聴くこと・動くことを通して,その違いを感じ取っていきます。