小学校生活
音楽を聴いて感じたことを手拍子や歌い方で表現して感想交流しても,伝え合いがうまくいきません。
【答え】
表現方法の約束をつくりましょう。
【なぜ】
音楽への感じ方は一人一人違いがあります。また,感じ取ったことを表現する技能(自分の声で強弱を表現するなど)も,十分とは言えません。言葉での伝え合いもまだ学習中。ですから,伝え合いがうまくいかないのは無理のないことです。
伝え合うためには,互いに共通する約束が必要です。約束があると,子どもは「何を」「どのように表現するのか」,自分が感じたことを,表現を通して伝え合うことができます。互いの表現を共有することも容易にできるようになるのです。誰にでもわかる視覚化できる方法の指導が,必要なのです。
例えば,曲の気分を強弱の工夫で表現します。約束があれば,のびのびと自分の感じたことを表現できます。約束がないと,自分は強くしたつもり,だんだん弱くしたつもりと言っても,わかり合うことは難しいのです。
感じ取ったことを伝え合うためには,視覚化できる表現の方法の約束をつくり,「伝え合い」を指導することが重要なのです。
【方法】
子どもが日常的に使っている動きを活用します。「前にならえ」の手の開き方です。 両肘を体につたまま,腕を前に出します。この形を,「普通の強さ」とします。この約束には基準が必要です。この「普通」が基準となるのです。
「強く」や「明るく」などは,両腕を上にあげます。「弱く」や「優しく」などは,両腕の開きを狭めて表現します。
これは一例です。子どもたちとわかりやすい方法を工夫してみてください。
活動する際には,「伝わった?」が合い言葉。伝え合うための約束ですから,明確に伝わることが約束の基本です。「普通の強さ」など基準になる形を明確に決めて取り組むことが重要なポイントです。