音楽の学習で,特に身体表現をすることを嫌がる子どもがいます。どのように指導したらよいかわかりません。
【答え】
拍打ちをするところから始めて,その表現を認めましょう。指先一つの表現も逃さず評価し,認めることが重要です。
【なぜ・方法】
なぜ嫌がるのかさまざまな原因が考えられますが,ここでは指導としての取り組みからよくみられる例を挙げ,指導の在り方について考えます。
音楽での表現は,声や音などその姿が友達に見られてしまいます。文を書くなど人に見られる心配のない活動と違って,人と違うことへの不安や笑われるのではないかという心配。また,そのような苦い経験など,これらは子どもの心に強く残る傷ともいえるものです。
では,その原因はどこから来るのでしょう。その一つは,教師の姿勢からと感じています。以下は,よく見かける指導です。
先生は教材研究した表現だけを認め,それと違う表現は認めません。間違いとして子どもの表現をご自分の考え通りに直してしまいます。そんな経験はありませんか。とても残念ですが,このような姿勢こそ子どもの音楽嫌いをつくる原因なのです。
子どもの感じ方や考え方をまずは認める姿勢が重要なのです。子どもの考え方を育てるのは教師の考え方。「違いを認め,大切に思う」考え方です。
特に音楽を感じ取る評価では,一人一人の違いをよさとして認めることが大切なのです。よく気付きましたね。わかりやすく表現していますね。など少々速さが揺れていても表現がずれていても,未完なのが当たり前。だからこそ指導するのです。まずは子どもの感じ方や表現を認めましょう。
子ども一人一人の感じ方には,違いがあることに気付くことが重要なのです。そして違いを認め,厳しい言い方ですが,教師の感じ方を押しつけないことです。
指導とは,子どもの気付きを認め生かして,未熟なことは教えること。押しつけを指導と勘違いするようなことにはなりたくないですね。
教師の姿勢や考え方は,そのまま子どもたちの友達に対する考え方につながり,子どもの思考をつくります。
一人一人の違いを認め,あたたかい指導に取り組みたいですね。