音楽会の練習をしています。音楽に合わせてと繰り返し指導していても,全体の速さがそろわず,ずれてしまいます。
【答え】
音楽に合わせるとは,音楽を聴くということ。「聴いている」を視覚化します。
【なぜ】
聴くという活動は視覚化できないため,子どもは自分が聴いているか聴いていないかを実感することが難しいのです。ですから,聴いていなくても聴いていると言います。
そこで,聴いていることを実感できるように視覚化する活動を工夫します。その一つが,音楽に合わせて身体表現をすることです。その中でも低学年で重要なのが,音楽に合わせて手拍子を打つことです。
なぜなら,手拍子を打つということは,音楽をよく聴いていなくてはできない活動だからです。音楽に合わせるためには聴かなければなりません。それもなんとなくではなく,集中して聴くこと。聴いていないと音楽とずれてきます。
この指導は,手拍子を打つことが目標ではありません。手拍子を打つために音楽を聴くことが重要なのです。聴くことを目標にしている,それが音楽に合わせてという意味です。音楽に合わせてとは,聴くことを視覚化して子どもに実感させることのできる活動なのです。
【方法】
「音楽に合わせて」を合い言葉に,活動します。
一人でも音楽に合っていないときは,活動の途中でもその場で止めて指導することです。「その場で」が指導のポイントです。子どもに「あとで」は効きません。子どもはその場のことでもなかなか自分のこととは受け止めにくく,他人事として素通りしてしまうことが多くみられます。ましてや,時間が経つともう「自分たちのこと」ではなくなってしまうのです。この活動に限らず,指導は「その場で」が必須です。
ここで気をつたいことは,できていない子どもだけを取り上げて指導してしまうこと。できないから学校に来ているのです。できなくて当たり前です。全体に指導をすることが重要です。その子どもだけを取り上げることは,教師のつくるいじめにつながります。十分に配慮をして取り組みましょう。