自分の評価が正しいのか不安です。どのように考えると自信をもって評価することができますか。
【答え】
評価規準における具体的な姿をもちましょう。
評価が恣意や主観にならないよう,学校や学年で,評価規準における具体的な姿の共通理解をして取り組むことが基盤となります。B規準の姿を具体的にとらえておくと,AやCの姿もわかりやすくなります。もちろんAやCの姿も具体的に共通理解しておきましょう。
【なぜ】
どのような状況をBと考えるのか。またAと認めるのか。具体的な姿として学校や学年で共通理解していないと,指導者の恣意や主観に頼り,正しい評価をすることが難しくなります。同じ学習をしても隣の学級ではA,その隣ではBと,教師によって評価の規準が違っては,評価を通して子どもに力をつけることもできないばかりか,学ぶ意欲を低下させ,ひいては保護者の不振へとつながりかねません。
【方法】
第3学年における「リコーダーの技能」の評価を話し合った例です。
初めて取り組む学習です。どの子どもにも基本的な奏法が身につくよう指導します。
姿勢やリコーダーの左右の手の持ち方,息の入れ方など練習用の曲を通して,丁寧に繰り返し指導を重ねます。どのような姿勢がよいか教科書等で示されていますが,実際に各学級の子どもたちの姿をみあい,そのうえで評価規準における具体的な姿を話し合いました。
問題になったのは,「A評価」です。「タンギング」に関して,一つの学級では,おおむねできていればAと評価していました。なぜなら学級のほかの子どもに比べて,タンギングのできている割合がその子どもには多いからという理由です。おおむねできていればBです。従前の相対評価と混同しているのです。
そこで各学級におけるAと評価している子どもの演奏を教師どうしが聴きあい,評価規準Aの姿を共通理解し,正しい評価をすることができました。
評価は学期末や単元末に行うものではありません。評価は,常に指導と一体化であり,ほぼ毎時間行われています。指導前,指導中,指導後など具体的な姿を学年で共通理解し,指導に臨むことが自信をもって評価することにつながります。
評価は何より子どもたちに力をつけ,学びの意欲につなげることが目ざすところです。そしてそれは保護者からの信頼へとつながります。
教師個人の恣意や主観で行うことがないよう,十分に準備し取り組みましょう。