保護者からの質問,難問への応え方を教えてください。~教師自身を守るてだて~
【答え】
質問や疑問には,保護者自身にとって不安な内容も含まれます。「保護者の気持ちに寄り添うこと」を意識して対応しましょう。感情的な難問へは,一人で対応せず,学年や学校としての組織力で対応しましょう。
【なぜ】
入門期の子どもをもつ保護者は,わが子の学校での生活や学習,友達関係に対して期待とともに,不安や心配をもっています。教師にとってはなんでもないことでも,保護者にとっては大きな不安に感じる内容もあります。小さな疑問が大きな不安となり,やがて教師への不信となり,信頼関係に影響することも少なくありません。「誰に対する」「どのような内容か」を整理して正確な情報を集め,対応しましょう。「信頼できる先生」は,話をよく聴いて,丁寧に細やかに対応してくれる先生です。
【方法】
次のように,内容を整理して対応の仕方を考えましょう(例です)。
(子どもに関すること)
○子ども自身の性質や生活に関すること
○他の子どもと関係すること
○給食など食に関することなど
(教師に関すること)
○教師の指導に対する考え方や学級経営に関すること
○他の学級との違いなど学年経営にも関すること
○人事など学校経営に関することなど
(家庭に関すること)
○教育方針や家族の悩みなど
(他の家庭に関すること)
○誹謗,中傷など
難問と思えることへの対応は,難しいものです。一人で背負い込まず,学年や管理職の協力を得るようにしましょう。個人的に対応すると感情的になるなど,正確性を欠き,思わぬことへと発展してしまうこともあります。複数の教師での対応は,よりよい答えを示せるだけでなく,教師自身を守ることにもつながります。保護者にとって,信頼できる先生は,一人で対応できる先生だけではなく,「早い対応,正確な答え,適切な処理」をしてくれる先生でもあるのです。
また,何についてどのように対応したのかを正確に記録しておくことも教師自身を守る上で必須のことです。
更に,電話の対応にも気をつけましょう。顔が見えない分,感情がすれ違います。言葉一つが火種になることもあります。できるだけ電話での対応は避けましょう。やむをえない場合は,誠意をもって丁寧な言葉で「力を尽くして指導に当たりたいと考えます。ぜひお目にかかってお話を伺いたい」など面談へとつなげましょう。