入学して初めての通知表を渡します。保護者への説明や,学ぶ意欲につながる子どもへの渡し方を教えてください。
保護者編
【答え】
通知表の見方は,意義にふれながら説明します。
保護者は,自分の子ども時代と同じ感覚で通知表を見ます。いま子どもたちを育てている内容や「評価」について,評価規準を示して具体的な姿として伝えましょう。
【なぜ】
子どもたちに学ぶ喜びを与え,次への意欲につなげるための評価です。
保護者の方は,評定だけで判断し,その内容にふれて見取ることはあまりありません。入門期の評価の伝え方には,文章で示す,評価規準が示され記号による評定を示すなど,学校により違いがあります。教師はその内容や方法を熟知していますが,保護者は初めて今の評価にふれ,お子さんの学習状況を知るのですから,丁寧に具体的に説明することが大切です。
【方法】
各教科等での「つけたい力」について「力のついてきた状況」を伝えましょう。
つけたい力を核に評価規準をもち,授業に取り組んできました。その状況を知らせるのですから,4月から7月までどのような力をつけてきたのかを伝えましょう。
育てている力は「聴く力」,「考える習慣」そして「表現する楽しさを味わう」ことを中心に各教科等での取り組みであったと考えます。
年度初めにも伝えてきていると思いますが,子どもたちの学習活動における具体的な姿を示し,伝えます。
また,入門期では,ついた力が子どもの姿に十分反映されているとは言いきれません。時間の流れや学習やその内容,友達とのかかわり,教師とのかかわりなど,初めての学校生活に慣れることだけで,教科学習において力が十分に発揮できていると判断するのは難しさがあると感じるかも知れません。しかし学力をつけることが教師の仕事であり,責任でもあります。評価は指導している時点での状況を知らせるものです。自信をもって評価し,伝えることが大切です。
そして,初めて通信表を受け取る保護者への気遣いも重要です。お子さんへの「期待」や「まだ慣れていないのに本当にこんなにできないのかしら」という不安感に応える意味でも,具体的に姿を示し,特に十分とは言えない子どもには,どのような指導を続けているのかを伝えます。
そして,がんばったところを認め,少しでも力がついてきたことは褒める,など次への意欲がもてるよう,声かけをしていただけるようお願いしましょう。