一人ずつの学習状況を保護者にお知らせします。通知表には,どのようなことを書いたらよいのか,迷っています。
【答え】
ついた力の状況を知らせます。通知表では,一人ひとりの子どもの学習状況を具体的に知らせることが重要です。
「朝顔に,毎日,水をあげています。」など,活動の様子だけの記載で「何が」「どれくらい」できるようになったのかは,伝わりません。
【なぜ】
授業づくりにおいては,つけたい力を決め,評価規準をもち,教材や活動を工夫して取り組んでいます。
通知表で子どもたちや保護者に伝えなければならないことは,「どのような指導」や「どのような学習活動」を通して「どのような力」がついたのか。その「状況」を知らせることです。ですから「○○の物語を上手に音読しました。」では,音読のどのような力がついたのか,伝えることはできません。
【方法】
ついた力やできるようになってきたことなどの,よい育ちを知らせます。それと同時に,十分でない内容も「何をどのように学習していくのか。」指導している状況とともに知らせましょう。次はがんばろうと意欲がもて,これからの課題が明確に伝わることが評価の基盤です。
例「○○物語を繰り返し音読することを通して,言葉のまとまりをとらえて音読をする力がついてきています。」
また,つけたい力の状況の違いが,わかりやすく伝わるよう,表記の工夫も大切です。
同じ力の状況でも「ついています。」「ついてきています。」「つくよう□の指導を続けています。」「□の指導を重ねてきた結果,○○の力がついてきました。」など,その子どもの状況の表現は,語尾の使い方だけでも変わってきます。
できるだけ一文一内容で,一般的な言葉で,専門用語を用いるときは説明を付け加えるなど,保護者へ伝えるという相手意識をもち「わかりやすく」「丁寧な言葉」で伝えましょう。
そして「何を知らせるのか。」評価の記録の方法についても見直しておきましょう。
一人ひとりの活動内容や学習状況を記録していますか。毎時間は無理でも「この時間は○○さんたちが活躍しそうだ。○○さんの伸びを見取ろう。」など授業計画を立てるときに,評価計画も立てていると思います。評価する子どもを計画的に決めておき,どの子どもの状況も見取れるようにします。一日の授業でも,1時間で3人,5時間で15人見取ることができます。記号化だけでなく,具体的な姿として文章で記録しましょう。