個人面談。保護者とよい関係をつくるための準備を考えています。
【答え】
座席を工夫して,話しやすい環境をつくりましょう。
保護者の方との距離を縮める話しやすい雰囲気作りは,実は面談の充実を図るために重要なカギとなるのです。
【なぜ】
個人面談は,子どもの学校での友達関係や学習の状況などを伝え,保護者の方と話し合い,子どものより良い育ちを考えるための時間です。そして,保護者の方のお話は,指導のための貴重な資料となります。
年間数回の貴重な時間ですから,資料を用意して臨みますが,どんなに資料を準備しても,受け入れていただけなければ面談は意味がありません。
子どもたちに個人面談や家庭訪問について聞くと「悪いことを言われそうで心配。」という答えが返ってきました。教師はそんなことは思ってもいないのですが,子どもや保護者の方にとって先生と向き合う機会は「気の重い時間」なのではないかと思います。特に入門期では,個々の問題を先生に相談してよいのか,家庭で解決しなければならないのかなど遠慮したり,迷ったりしている保護者の方もいらっしゃいます。また,教師にとって問題だと考えることが,保護者の方にとっては問題と考えていない,これもよくあることです。
だからこそ「この先生の言うことなら聴いてみよう,相談してみようかな。」と,お互いの距離を縮め,話しやすい環境づくりが必要だと考えるのです。その一つが保護者の方の気持ちを和らげ,話しやすい距離感に配慮した「座り方」なのです。
【方法】
L字型の座り方がよいと思います。
黒板に平行に机を3つ並べ保護者席にします。L字型に続けて教師用に机を3つ並べます。教師は入り口に向かって座り,保護者を迎える形にします。話すときには,体が斜めになり,視線は合わせますが真正面から向き合うのではないため,柔らかい雰囲気になります。面談は面接ではありません。向き合う座り方ではお互いに緊張します。正面切って座ったのでは,暖かい話し合いにはなりにくいでしょう。また,小さいお子さんを連れてくる方,荷物をもってくる方などへ配慮して,椅子の数は工夫してください。
さらに,面談の資料は個人情報です。他の子どもの名簿や,指導内容が面談中の保護者の目に触れることのないよう,置く場所に気をつけましょう。
配慮した座り方は,子どもへの指導のきめ細かさを感じさせます。話し合いの内容だけでなく,こんな小さなことからも「信頼」は培われていくのです。
信頼とは大きな出来事ではなく,小さな配慮の積み重ねで培われていくものだと考えます。面談には,真摯な気持ちと態度で向き合いましょう。