保護者の方との関係がうまくいっていません。正しいと思える答えを誠実に伝え,相談に応えているつもりなのですが,納得していただけない感じがしていて自分自身が参っています。
【答え】
正論は正解? 求めていることは何か,言葉にならない「何か」を感じ取りましょう。
【なぜ】
今の状況は世界中の人々が初めてのことで,困惑や悩み不安を抱えての日々です。保護者の方も子どもたちの長期の自宅待機により,精神的にも不安定になっている方もいらっしゃいます。ですから,気持ちの安定がまずは大切と考えます。話の答えよりはまず,受容して共感することが必要なのです。なぜなら,保護者の方は言葉にできない,言葉にならない心のもやもやを抱えていることもあるからです。相談に来ること=答えを求めているとは限らないのです。
お子さんの学習への不安や成長による子育てへの行き詰まり,ご自身の悩みや家庭の問題など,普段から寄せられる内容と同じように見えて,今の状況ではその内容も求める答えも対応も微妙に違う気がしています。
例えば求める答えの例として二つ。一つは,聴いてもらえるという気持ちの安定を求めていること。二つは,正解はわかっているけれど,今はもう少し緩やかな答えにしてもいいのではと考えている自分に共感してほしい願いです。
求められていることは何かを感じ取る,見取ることは子どもへの指導と同じです。
【方法】
黙って話を聴きましょう。途中であれ?っと思うことがあっても,言葉をさえぎったりしては「やっぱり聞いてもらえない。」と,気持ちの擦れ違いにもつながります。まずは聞きましょう。その時に「何を求めているのか」を見取ることです。
○ 話を聴いてほしいだけですか。
○ ご自分の考えや行動に不安を感じ,自信をもちたい。そのために他の人からの同感を求めているのですか。
○ 先生の考えを聴きたいのですか。
○ 正しい答えを求めているのですか。
⋯⋯ まだまだありますね。
もし,自分だけでは難しいと感じたら,学年主任や管理職などに同席してもらいます。その際には他の教師が同席することを知らせ事前に承諾を得ておきましょう。また,人数が多いと相手は圧力と感じます。多くても二人ぐらいにしましょう。他の教師はあくまでもアドバイザーに徹していただきます。主は保護者と担任です。