Q21(3年):「生産者」,「消費者」,「分解者」の説明について
質問
「生産者」,「消費者」,「分解者」の説明が以前の教科書と違うように思うのですが,変更したのですか?
回答
「生産者」,「消費者」,「分解者」の説明については,平成24年度の教科書から変更しています。平成23年度までの教科書では,以下のような説明をしていました。
平成23年度までの教科書の説明
- 生産者:無機物から有機物をつくる生物(植物)をいう。
- 消費者:無機物から有機物をつくることができず,他の生物を食べて有機物を取り入れている生物(動物)をいう。菌類や細菌類などは含めない。
- 分解者:生物の死骸や排出物に含まれる有機物を無機物などに分解している生物(おもに菌類や細菌類)をいう。
- 平成23年度までの教科書の説明に従って生物を区別した図
生物を,生産者,消費者,分解者と区別しています。
この記述では,「消費者」と「分解者」を別の区分にしていますが,「分解者」も食物に含まれる有機物を取り入れているという点では,「消費者」と変わりありません。
そこで,平成24年度以降の教科書では,有機物をつくり出すか,取り入れるかという観点で大きく「生産者」と「消費者」に分け,「消費者」のうち生物の死骸や排出物に含まれる有機物を無機物に分解する過程に関与している生物を「分解者」として位置づけ,以下のように整理して説明をしています。
平成24年度以降の教科書の説明
- 生産者:無機物から有機物をつくる生物をいう。植物の他,海藻や植物プランクトンなど。
- 消費者:無機物から有機物をつくり出すことができず,食物に含まれる有機物を取り入れている生物をいう。動物の他,動物プランクトンなど。
- 分解者:消費者のうち,生物の死骸や排出物に含まれる有機物を取り入れている生物(菌類や細菌類など)をいう。
- 平成24年度以降の教科書の説明に従って生物を区別した図
生物を,生産者,消費者と区別し,分解者を消費者に含めています。
これに伴って,教科書では,以下のような変更が生じています。
●ミミズやダンゴムシなど,生物の死骸や排出物に含まれる有機物を取り入れている生物
ミミズやダンゴムシなどは,平成23年度までの教科書では,落ち葉などを食べている動物なので,「消費者」として扱っていました。しかし,平成24年度以降の教科書では,「消費者」として扱っていることには変わりありませんが,生物の死骸を取り入れている動物でもあるので,「分解者」としても扱っています。
●菌類や細菌類
菌類や細菌類は,平成23年度までの教科書では,有機物を無機物に分解するので,「分解者」として扱っていました。しかし,平成24年度以降の教科書では,生物の死骸や排出物に含まれる有機物を取り入れている生物でもあるので,「消費者」としても扱っています。
以上,「生産者」,「消費者」,「分解者」の説明をされる際には,ご留意ください。