連絡帳の返事を書くときに,気をつけることを教えてください。
【答え】
連絡帳は,教師と保護者の方との信頼関係をつなぐ大切な「手紙」です。
書き出しは,「承知いたしました」や「ご連絡ありがとうございます」など,手紙と同様な一言を添えましょう。礼儀でもあり,気持ちもなごみます。筆記用具は,黒か青のボールペンなどを使いましょう。くれぐれも子どもの採点同様に赤ペンで返事を書くなどと失礼のないように気をつけましょう。
文字は丁寧に書きます。「教師としての返事」ということを意識して書きましょう。内容の書き方は,聴かれていることに明確に,言葉を選んで書きます。日常の手紙と違って言葉を絞り,必要なことを明確に伝えることができるか整理して書くことが求められます。
そして,「何を聴かれているのか」「言葉の向こうに,どのような願いがあるのか」「話の内容より,もっと相談したいことがあるのでは」など,文字の向こうにある保護者の方の気持ちを推し測る,温かな対応が望ましいと考えます。
次に返却です。素早い対応は「誠意」を表します。返事の内容とともに返事そのものを待っています。必ずその日のうちに返却しましょう。
もし,返却を忘れたら,保護者の方はどのように思われるでしょう。「大したことと思っていないのでは」「うちの子どものことには,あまり関心がないのかしら」と,保護者自身と子どもとの両方に対する誠意を疑い,信頼を失うでしょう。相手の気持ちになって「温かく,素早い返信」を心がけたいものです。
また,子どもに連絡帳を返すときは,ランドセルにしまうことを確認しましょう。入学当初は一緒にしまい「お母さんに見せてね」と声をかけておくとよいでしょう。連絡帳が確実に行きかうには,登校後すぐに提出するなど連絡帳の提出方法の約束を指導することが大切です。連絡帳用の入れ物を用意するなど時間と場所を決めます。
とき,何も連絡がなくても提出する子どもがいます。連絡事項が書かれているのかどうか判断ができないのです。「今日は何もないから大丈夫」など,やさしく声をかけて返しましょう。「何も書いてないよ」などとむげに言うと,子どもは叱られたと思い,その後,連絡帳を提出できなくなることもあります。
そして,万が一返却し忘れたことに気がついたら,すぐ電話でお詫びし,問い合わせに対するお話をします。ただ,電話での対応はあくまでも緊急のてだてにしましょう。お互いに顔の見えない状態では,気持ちが行き違い,こじれることがあるからです。
更に,内容によっては,連絡帳でなく,直接会ってお話を伺う方がよい場合もあります。連絡帳は文字として残り,複雑な内容ほど文字で伝えることは,難しくなるからです。
また,教師が家庭まで出かけていくという行為も,その子どもや悩める保護者を大切に思う気持ちであることが伝わります。多忙な教師生活ですが,子どもと保護者との信頼関係は,全ての基盤と考え,どの方法でも丁寧に誠実に対応しましょう。