用事や体調を崩すなど,教師が,どうしても休まなければならないことがあります。そんな時,子どもたちには何も説明しないでよいでしょうか。
【答え】
事情をきちんと説明しましょう。そして「ごめんなさい。」「ありがとう。」謝罪と感謝,この二つの想いを必ず伝えましょう。
【なぜ】
子どもたちにとつて,担任教師は学校生活における心のよりどころです。できるだけ休むことなく,子どもたちの学習や生活を保障しています。しかし,私たち教師の仕事は,日ごとに年ごとに,質的にも量的にも増え,その負担も計り知れないものがあります。体調が整わないこともあれば,不足の事態で休まなければならない日もあります。
そんな時,何も言わずに休むより,きちんと事情を説明し,仲良く留守番してくれるよう願っているという気持ちを伝えることが大切だと考えます。また,事前に説明できないときは,次の朝すぐに説明し「ごめんなさい」「ありがとう」を伝えましょう。
なぜなら,子どもは事情を説明されるという行為から,『自分たちを信頼してくれている』と感じ,教師に頼るばかりでなく,「自分たちでできることはやる」という意欲や学級としての一体感,そして,みんなで頑張るなど責任のような感覚を意識するからです。
もちろん全ての子どもが意識をもてるわけではありません。学級の中に一人,二人と気づきや意識をもつ子どもは育っています。その子どもを軸に,少しずつ全体に育てばよいのです。大切なのは教師がこの二つの思いをもち,子どもたちに対して一人の人として認め接していくことが大切なのです。ですから「ごめんなさい。」「ありがとう。」は必須の思いであり,言葉なのです。
子どもだからと侮ってはいけません。子どもの感性は鋭く,特に毎日生活を共にする担任教師に対する感覚は,無意識のうちにも,とても細やかに育まれているのです。
【方法】
「ごめんなさい。どうしても用事があってお休みします。代わりの先生がいらしてくださいますが,お留守番をお願いします。」と,申し訳ないという気持ちを伝えましょう。
代替えの教師が授業を行うこともありますが,課題は子どもたちが楽しみながら,どの子どもも困ることなく取り組める内容を用意します。教師の都合で留守番をする子どもの気持ちになって課題を工夫しましょう。プリントでの学習もあれば,絵を描くことや本を読むことなど多様な内容を用意します。
体育や植物観察などの内容は,教室を離れる,外で活動するなど,安全面での問題があります。課題をやり遂げることも大切ですが,怪我なく,仲良く一日を過ごすことを中心にして課題を工夫しましょう。