毎日遅くまで仕事をしても仕事が山積みで,休日にも出勤しています。家事をする時間も余裕もなく,健康面でも心配です。仕事と生活とのバランスをとる方法を教えてください。
【答え】
自分のための時間割をつくり,「もち時間」を把握しましょう。
そして「今日はここまで」と時間を切る,仕事の着地点を決めましょう。
【なぜ】
教師の仕事は,年々複雑かつ多様化しています。教師は,子どもに学力をつけること,心を育てることが重点的な仕事です。そのために,カリキュラムの作成や評価,指導計画,教材研究など授業にかかわる研究や準備に多くの時間が必要です。また,学級事務や校務分掌,保護者への対応など,授業以外にも大切な仕事があります。さらに会議や研修のための出張もあります。とても多岐にわたる仕事を抱え,しかも一つ一つの仕事は互いに関連し合っています。
ですから「いつ」「どの仕事に」「どれくらい時間がかかるのか」仕事全体を俯瞰し,仕事への見通しをもち,もち時間を把握するのです。
さらに「今日はここまでで終わりにする」と仕事の終わり,着地点を決めます。仕事は限りなく続いていますから,自分で「終わり」をつくるのです。そして,曜日によっての着地点=帰宅時間を決めると,一週間の流れにリズムが生まれます。例えば,水曜日は出張なので終了後はすぐ帰宅する,金曜日は会議の後一時間だけ仕事をするなどです。このリズムに乗って仕事をすると,関連し合った仕事をいつ・どの仕事をすればよいかもわかってきます。
「自分のもち時間を知ること」は,使える時間がわかり,仕事にも私生活にも余裕と充実が生まれると考えるのです。
【方法】
一枚の紙に「教師の時間割表」を作成し,月単位で「もち時間」を把握します。
まず,行事や出張など,固定している内容とその終了時刻を記入します。次に,学年や学級の仕事内容や必要時間「何の仕事に,どれくらいの時間が必要か」。「毎日しなければならない仕事はどれか。そのための時間はどれくらい。」「曜日や週ごとに仕事内容や,必要時間に違いがあるか」などを洗い出し,「もち時間」(下記表内☆)を見つけます。手帳への記入でも,色別など工夫しておくと見やすく,自分の時間が俯瞰でき自分磨きなど楽しみも増えてきます。
<教師の時間割の例>
週 |
月曜 |
火曜 |
水曜 |
木曜 |
金曜 |
土・日 |
1 |
会議 |
☆ |
出張 |
学年 |
会議 |
|
2 |
☆ |
研究 |
出張☆ |
学年 |
会議☆ |
|
3 |
会議 |
☆ |
会議 |
学年 |
会議 |
|
4 |
☆ |
研究 |
☆ |
学年 |
会議 |
|
予 備 |
☆一か月を俯瞰し,定時で帰る日など,仕事以外に使える日を選びます。時間も書き入れておきましょう。
☆出張日は,終了時刻が決まっており,仕事終わりの着地点が決めやすくなります。毎週でなくても,一か月の中で,他の仕事と関連させ,使える週を見つけておきます。
☆会議の内容により,終わり次第,「○時まで□の仕事」と内容と着地点を決めて取り組みます。