☆コラム 力をつける公式?! 気づかせる→意識化する→習慣化を図る⇒そして鍛える
聴く力や考える力,そして表現する力と今つけなければならない学力をどうしたらつけることができるのか。さまざまな方法を試行錯誤している毎日ではないでしょうか。
特に入門期,1年生の指導は発達段階の特徴や幼稚園や保育園,家庭などからの環境の移行時期という点でも,指導法に悩むところです。しかし,さまざまな面で未発達の子どもだからこそ,新しいことが身につきます。
そこで,力をつけていくときには,私たちが毎日自然に行っていることから,その指導法を整理して考えました。
例えば,別の項でも書きましたが,整理整頓。整理整頓された机やロッカーは見やすく使いやすい。使いたい学習用具がすぐ見つかる。なくならない。何と言ってもすっきりとしていて気持ちがよい。教師からの指導により,整理整頓の大切さやよさに気づきます。
次は,このことが継続するように,意識的に声かけをします。
さらに,自分でできるようにしていくために,毎週金曜日の帰りの会では「机の中やロッカーの中を整理整頓する」という曜日や時間を決めて,習慣化を図ります。そして,自分から行う,自分で方法を工夫するなど,整理整頓の力を鍛えていきます。
すすんで継続して行くことができるように,整理整頓の仕方や行う時間などを自分で工夫させ,その実践を紹介し,賞賛します。係り活動への発展も考えられます。
また,本を読む力をつけることでも同様です。本を読む楽しさに気づくことができるよう,はじめは教師から本の選び方や一人で読む楽しさを指導します。「本を読むと楽しいね。先生も読んでいますよ。」教師も共に読む楽しさを味わっていることを紹介しながら意識化を図り,読む曜日を決め,全員で読み,習慣化を図ります。そして,たくさんの本を読む,読むジャンルを広げるなど,読むことを鍛えていきます。
聴く力や考える力,表現する力の育ちも同様です。
聴くことの大切さに気づかせ,「今先生は何と言いましたか。」と,聴いているかを問い返すことを意識的に指導します。
そして,教師の話は一回だけ。繰り返しません。「一回で聴く。自分で聴く」ことの習慣化を図り,聴きながら考える,聴く力を鍛えることへと力を高めます。
このように力をつけていくためには,一つ一つ意味をもつ指導の段階を踏み,高まりや深まりを感じる活動になっていくこと。そして力がついていくことを子どもが実感できることが指導の重要なところだと考えます。