入学後初めての懇談会があります。教室掲示に楽しい企画を工夫したいのですが。
【答え】
初めての遠足に持っていきたいお弁当の絵を描きます。
懇談会での話題にもなります。お家の方にお願いするつもりで,食べたいおかずを描く楽しさを味わいます。
【なぜ】
学校はわかないことがあるから来るのです。しかし,子どもたちのもつ学校に対するイメージは「わかった人,手を挙げて」です。わからないから学校に来ているのに変な話です。
学校は,わからないことがわかるようになる「楽しい」ところです。入門期には,特に子どもたちにも保護者の方にも「学校の楽しさ」を意識的に伝えることが,大切なことだと考えます。ですから,少しでも楽しみながらわからないことがわかる,できないことができるようになることを子どもの姿で示すことを意識して指導に取り組みたいものです。
小学校での初めての遠足には,子どもたちの格別な期待が込められています。まだ名前もよくわからない友達と校外に出かけるのですから,不安もあります。だからこそ,遠足で開くお弁当には意味があるのです。
好きなおかずが並ぶお弁当。この活動のねらいは,色や形,絵としての完成度ではなく,遠足への期待を形にする楽しさを味わうことです。
そして,お弁当を作ってくださるのは保護者の方です。自分の家族が寄り添ってくれることが子どもの不安を「楽しさ」に替えてくれます。
持っていきたいお弁当に近づけるよう,お家の方との対話を通して,学校生活への期待をもてるようになることが,大切だと考えます。
【方法】
八つ切り程度の大きさの画用紙を用意します。薄い色の黄色やピンクなど,色画用紙でもよいでしょう。
クレパスやクレヨンなど柔らかく発色のよい用具で描きます。マジックは匂いがあるため,換気をよくする,キャップの始末をきちんとするなどいくつかの配慮が必要になります。もう少し時期を見て使いましょう。
色鉛筆は,美しい色で描くことができますが,入門期の子どもの筆圧ではすぐ折れてしまいます。描きなれている子どもには魅力的な用具ですが,掲示すると見にくい。みんなで見て楽しむ,お家の方にも見ていただくなど相手意識や目的意識を指導すると,子どもにもどの用具を使うとよいかが判断できます。
「お弁当を描くこと」を題材に,たくさんの学びが生まれます。