初めて子どもの前に立ちます。一年間の指導を見通しておきたいと思います。すぐ取り組めることから教えてください。
【答え】
教科書を活用しましょう。一年間の指導とつけたい力の見通しをもつことができます。
【なぜ・方法】
まず教科書を手にしたら,最後まで目を通してみましょう。その学年の年度末における子どもたちの姿が見えてきます。
特に後ろのページから目を通すことをお勧めします。一年後の子どもの姿が見えるからです。その姿の実現に向けて指導をするという指導の道筋が見えてきます。ここが重要なポイントなのです。
例えば教育出版の生活科の教科書では,P80「もうすぐ2年生」では一年間の学びにおける振り返りや,できるようになったことなどがまとめて掲載されています。この具体的な姿により,一年生のゴールが見えてきます。
ゴールが明確につかめるからこそ「いつ」「どのような」指導をするのか,指導の過程や内容を具体的につかむことができるのです。
さらに,教材とゴールの姿を対応させることで,なぜこの時期にこの内容を指導する必要があるのか,その意味を考え,指導を焦点化することができます。
一度教科書を後ろから順に読んでみてください。指導の見通しをもつことができます。
また,目を通す際には教科書の内容をよく読み込むことが大切です。
このページは何をどのように扱っているのか,自分で考える前につい自分の経験で内容を把握したり,指導書を頼りに指導方法にだけ重点をかけたりしていませんか。
指導者として,今,つける力は何かを考え自分の目で読み込んでみましょう
○題材の目標は何か。どのような力をつけるための題材?
○そのための教材は何か。提示された教材以外でも可能?
例えば,題材の目標は「花を育てる」。種をまき,種が採れるまでの植物の生長を通して様々なことを学びます。
この目標達成のために選択できる植物には,どのような花が考えられるでしょう。何種類もあるはずです。にもかかわらず「全員朝顔」なんて決まっていたら何か変だと思いませんか。目標とずれがあります。しかも子どもたちは意欲的に取り組めるでしょうか。
一人ひとりが自分で選択するからこそ,花への愛着がもて,名前を付けるなど子ども自身が花と同化して,長い時間世話をし,育てることができるのです。
目標をつかみ,教科書をよく読み込み,子どもたちに力をつけることのできる指導につなげたいと考えます。