落ち着いて学習に取り組める教室掲示の見直しをしています。
【答え】
互いの学習を見合える,よさを認め合えるなど,子どもどうしの育ち合いが見える掲示に焦点化しましょう。
【なぜ】
研究校で発表に向け,全教室の掲示を工夫し直すよう指導を受けたときのことです。手本として一つの教室が紹介されました。
その教室内は,あらゆるところに掲示物が貼られていました。黒板周りの前面,廊下側の側面,背面は勿論のこと黒板の上,窓枠の隙間にも掲示物がびっしり。さらに天井からも垂れ下がるように日本地図が貼られていました。
その大きさも圧巻でした。壁がわからないくらいです。その色合いも目に飛び込むような彩色で,座ってみるとなんだか落ち着かない気持ちになり,圧迫感さえ覚えました。確かにどの掲示物も学習の履歴を始め,今学習している内容です。しかし,私は「必要な掲示物を絞ってシンプルに」を信条としていましたので,この量と色には驚き「学習環境の掲示物」として適切なのか。大変疑問に思いました。
掲示物は,飾りではありません。教室は子どもにとっての学習の場であり,生活の場です。学校生活や学習に生きる掲示物であることが基本です。
「何を育てるために」「どこにどのように掲示するのがよいか」『掲示物があることでより良い環境になる。』それが掲示物の役割と私は考えるのです。
「適材適所,そして適量」がキーワードだと思います。
【方法】
まず「どこに,何を,どのように」掲示するのが効果的でしょうか。
場所や掲示の仕方は,見る子どもの目の高さを考えて工夫します。大人の目の高さに掲示したのでは,子どもには読むことができません。
次に,内容は「育てたい心や力」を意識して工夫します。(参考例です。)
- 子どもが自分の成長を実感できる言葉集めや生活科のカードなど
- 友達のよさがわかる「よいとこ見つけ」カードなど
- 学習への関心が高まるおすすめ本の紹介や漢字マップなど
- 今後行われる楽しい行事の期日や内容を知らせる文字や絵,写真
また,課題に即した内容や丁寧な書き字のカードを「いいねカード」などとして紹介するコーナーも書く力を育てることに有効です。ただし,同じ子どもばかりが紹介されることのないよう気をつけましょう。
そして,掲示物にはコメントを書きましょう。先生の一言は,子どもにやる気を起こさせ,真剣に向き合ってくれる先生に愛情を感じます。
誤字や脱字は必ず確認します。赤ペンで示すより,対話を通して書き直させましょう。できないことをできるようにしてくれる先生に信頼を感じます。すでに終わった掲示物がいつまでも貼られていることのないよう,週替わりや月替わりでできれば,季節感も取り入れるなど掲示物は意図的・計画的に取り組みたいと考えます。