週案を書いて提出していますが,実際の指導とは結びつきません。
【答え】
週案は,学校生活の「流れ」や学級や教科の「指導」を「見える化」した計画書であり実践書です。身近に置き,日常的に活用することで指導の充実に役立ちます。そして,一年間の積み重ねは,やがて,自分自身の指導計画にもなります。
【なぜ】
週案は指導する教師と指導される子どもとの双方のためのものです。
週案を教室に掲示しておくと,教師自身にも子どもたちにも日常的に活用できます。子どもたちは,「今週はこんなことをするのだ。楽しみ」と,学校生活への意欲がもて,自分たちで生活をつくる意識が育ちます。また,教師自身には,行事の予定や指導内容,方法などを「見える化」することで具体的な見通しがもてます。生活や教科の指導の全体を俯瞰することができ,時間の流れを見通すことで指導に余裕が生まれます。
また,教科の指導は,計画通りに進まないこともあります。一つの教科の時間が予定より増えると,他の教科の時間を減らすことになります。何度も続くとどうなるでしょう。一つの題材が予定を大きく超えていることもあるでしょう。もちろん余剰はありますが,それは指導をより充実させるための時間であり,足りなくなった時間を補うためではありません。週案を活用してすぐに調整することを習慣化しておくと指導の重点化にも力がついてきます。
週案は記載することがゴールではなく,日常的に活用して初めてその意味を成すと考えます。
【方法】
まず,週案の書き方です。
一週分だけを書いたのでは見通しはもてません。月単位での計画と考えましょう。例えば,行事を一か月見渡して把握しておくと,学級での動きとの関連を把握しやすく,余裕をもって調整や準備に取り組むことができます。学年間での共通理解の時間も取れます。
教科の指導では,一時間ずつの計画では,力をつけることは難しい。なぜなら題材全体を通して力をつけていくのですから,題材全体を把握して計画することが重要だからです。
教科にもよりますが,一題材は,ほぼ一か月分です。
例えば,一題材10時間分の計画を時間割にそって書き込みます。見通しのためですから大まかに題材名だけでもよいのです。一か月分の指導を書き込んでいくと,行事等で時間割通り時間を取ることができないことにも気がつきます。また,行事や集会などが予定より延びて,授業時間が短くなる予想も立ちます。
時間割を変更したり,指導計画を見直したり実態に合った時間と内容を調整・準備することができるのです。指導書の計画はあくまでも参考です。自分の学級の実態にそった計画が重要であることは周知のことです。
次は活用です。
計画通り進まないこともあります。授業は生き物です。子どもの実態や指導の方法などにより,予定通り力をつけることができないこともあります。題材での残り時間と指導内容や方法を見直す,他の教科との関連も図るなどにより,計画を変更します。その際大切なことは,単に時間を先延ばしするのではなく,初めに計画した一か月の中で調整することです。隙間の時間も学習に活用します。特に,朝の時間は有効に使いましょう。
また,記載する内容は必ずしも行事や授業内容だけではありません。会議や出張など,動きに関するすべてを書き込みます。自分自身の動きを正確に把握しておくことは,仕事をするうえで重要なことなのです。例えば,出張なども早めに準備できます。自分のためだけではありません。子どもたちや学年,学校全体へのお願いや配慮が必要だからです。
さらに実際の取り組みを記録します。かかった時間や指導の方法,子どもの実態など実践記録を積み重ねていくことで,生きた指導計画になるのです。