学級目標の作り方に悩んでいます。作り方と活用の仕方を知りたいです。
【答え】
「○○をつくろう」など何をするのか,行動が具体的に見える目標を作ります。
目標を達成するために,お題目にしないために,日常的に活用することが重要です。
【なぜ】
学級目標は,育てたい心と力を表すものです。子どもにとっては目ざす姿,そのために何をするのかを表すものです。しかし,ともすると,曖昧でどこの学級でも同じような文言で,掲げられているだけの目標になりがちです。
よく見かける学級目標に『明るく元気でなかよく』というのがあります。この目標の目ざす姿は,どんな学級でしょうか。例えば「明るく」という言葉からは,笑顔や明るい雰囲気などは浮かんできますが,具体的にどのような行動をするのかは伝わってきません。ましてや,入門期の子どもに具体的な姿はわからないでしょう。これでは,一年間かけて育つ心も力も見えにくく,自分たちが目ざす学級作りをすることはできません。望ましい学級目標とは言えないのです。
では,三つの言葉から入門期に必要な内容を考えてみましょう。
「明るく」返事や挨拶をする 楽しそうに取り組む
「元気に」毎日登校する 給食をしっかり食べる
「なかよく」順番を守る(約束を守る)自分のよさに気づく 友達のよさを見つける
このように整理してみると,一つの言葉にも込められた思いの多さ,多様さに気がつくと思います。学級目標づくりでは,何を育てたいのか,目ざす心や力を明確にして,言葉を吟味することが重要な鍵となるのです。
【方法】
育てたい心と力を焦点化します。入門期の指導は,まず約束を守ること。そして,自分のよさに気付くことです。三つの言葉の中から,一番目標として近い「なかよく」を選択します。そして,子どもにわかりやすく覚えやすい表記を工夫します。日常化につなげるためです。例えば『なかよし1組をつくろう』。語尾の「つくろう」がみんなで一緒になかよし1組をつくるという目ざすゴールになります。
そして,目標達成のために何をするのか,さらに行動を具体化します。友達のよさを見つける優しい目。友達の言葉を聞きいれる優しい耳。友達にあたたかな言葉を使うあたたかな口。顔の絵で表記すると,楽しくわかりやすくなります。言葉で表記すると,
『なかよし1組をつくろう。そのために,優しくてあたたかな目と耳と口をつくろう』。
このように学級目標作りでは,ゴールと行動を具体化することで,指導がぶれることなく目標達成につなげることができると考えます。