小学校生活
時間割や持ち物を間違えてくることがよくあります。どのように知らせたらよいですか。
【答え】
子どもたちにわかりやすく,見て楽しい「時間割の知らせ方」を工夫します。教科書の表紙を使います。具体物と文字との両方で示します。
【なぜ】
子どもは「せいかつ」の教科書と言われてもどれが生活の教科書なのか,全員にわかるわけではありません。数人が「これ」と教科書を見せると,学級の全員がわかっているような雰囲気になり,教師も安心してしまうことがあります。まだ,字は読めないのです。一人でもできていなければ,その一人のためにより丁寧な方法を工夫します。これが,入門期の指導なのです。
ほんの小さなことから,子どもは学校を嫌いになります。ましてや,学習への期待と共に不安をもっている入門期の子どもは教科書をそろえることですら,「学校嫌い」へとつながるといっても過言ではないのです。
入門期の指導においては,特に最新の観察力,注意力をもち一人一人への温かい配慮をもって指導に当たりたいと考えます。
【方法】
初めの2週間は,教科書を使うなど具体物で示します。教科書の表紙をコピーしてカード化しておくと使い勝手が良いです。これを時間割として並べます。わかりやすさと共に,学習への楽しい雰囲気も生まれます。見てわかる・楽しいことが,まずは,大切な支援です。
(例)
4月2週まで(A)4月3週目からは(B)
教科書の表紙をカード化して提示表紙のカードと教科名との両方で提示
☆子どもの実態をよく見取ります。子どもにとって教科書は,どれも同じように見えます。文字を読む練習ととらえ,表紙と文字とを関連させて指導します。間違いなくそろえられるようになってきたと感じたら「せいかつ」など文字表記(C)に移行しましょう。
これらは一例です。「いつ」「どのような方法」で取り組むのかは,学級の子どもたちの実態により工夫します。