夏休みの作品を展示します。よい指導に結びつく,工夫を教えてください。
【答え】
展示の場所と方法を工夫します。そして,鑑賞の仕方を指導します。
【なぜ】
展示場所は,学校として決められている場合もあると思いますが,教室やその近辺で展示できる空間を考えます。なぜなら,いつでも見られる,いつまでもきれいな状態を保てるなど,鑑賞や管理がしやすくなるからです。つくった思いを大切にすることが重要です。そのためには,見やすく,管理しやすい目の届く場所を考えることが重要なのです。
また,作品が立体なのか,平面なのかによって展示の仕方が変わります。作品の数(全員分あるか,または提出した子どもの分が全部あるか)や大きさを把握し,場所の割り振りを工夫します。「順番に置いていきなさい。」などという教師の姿を見て残念に思ったことがあります。集めた物をそのまま順に並べていくのでは,全体量が把握できないため,隣り合わせた作品同士が狭いスペースに詰め込まれ,作品がよく見えないなんてこともあります。作品の大きさや向きにより,展示の仕方は大きく変わります。展示の仕方一つが,作品を生かし,大切に思う気持ちを表し,よい作品作りの指導につながるのです。
「展示する」ことと「並べる」こととは意味が違います。一つ一つの作品が生きるように,全体を把握して計画的に展示しましょう。
【方法】
立体作品は立体的に展示します。段ボール箱や板などを使い,容易に準備できますが,安全面には気を配りましょう。作品を見ているときに,崩れてしまうなどのことがないように工夫します。また,台の上に紙や布を敷くと更に作品が生きてきます。この方法は作品展などにも活用できます。
平面作品は,場所の制限により高いところから吊り下げている展示を見かけますが,見るのは子どもたちです。友達の作品に触れることで,友達との心の交流にもつながります。できるだけ,子どもの目の高さに展示しましょう。
作品には名札をつけましょう。貼る前に誤字や脱字がないかを必ず確認し,貼る個所も支援します。更に作品の量によっては,学年全体で種類ごとに展示すると,会場全体に迫力のある展示ができます。
鑑賞するときには「作品に触らない」ことや「作品の素晴らしいところはどこか」など「作品のよいところを見つけて伝え合う」指導をします。作品を大切にする心や認め合う心を育てることにつながります。