子どもから「○ちゃんの方ばかり見てる。」と指摘されました。全員をみるための工夫が知りたいです。
【答え】
全員を見ることができるよう,4つのゾーンをつくります。
【なぜ】
子どもたちを見るとき,例えば,つぶやきの多い子どもばかりを見てしまう,大きな声を出す子どもに目が行ってしまうなど,つい一部だけを見てしまうことがあります。また,人には癖もあります。かくいう私も左側ばかり見てしまう癖があります。正面から全体を見ているつもりなのですが,気がつくと左側を見ていることが多々あります。子どもからすれば,いつも同じ方ばかり見ていると感じるでしょう。
学習中も生活中も,子どもは先生が「自分」を見てくれているのかを気にしています。それは自分に愛情を注いでくれているかを確かめているのです。入門期の子どもは,何でも自分が自分がと前に出たがるなど自分が一番なのです。ですから,友達が自分より前に出ることや先生に見られていることを気にします。よく見ているのです。というより見ているかを直感しているのです。
ですから,先生はみんなを平等に見ていますよということを明らかにしていくことが大事なのです。
【方法】
教室や子どもたち全体を4つのゾーンに分けます。
私は自分のくせに気がついてからは,みる場所とみる順番を自分の中で決めてみました。癖になっている左側から見始めて右側,後ろの左右,と順を決めて見渡します。特に忘れがちな右側を意識してみるようにしています。
見るときには,一人一人と目を合わせる気持ちで見ることが大切です。景色を見るような見方では「頑張っていますね。先生はちゃんと見ていますよ。」という気持ちは伝わりません。時には視線を止めて見ることも,意識的に取り入れます。
また,このことは懇談会でも同じことが言えます。一定方向だけを見て話していると,見られていない方に座っている保護者の方々は,話の輪に入れないような気さえします。
細かいことですが,人と人とのつながりは,互いを思い合う気持ちからその行為が生まれます。子どもにも大人にもあたたかな気持ちが伝わるようにしていきたいものです。