指導の意図を重視していると,同じ子どもどうしがいつも一緒の座席になりがちで困っています。
【答え】
「一年生の成長は著しい」ことを意識して,子どもの育ちを見直します。
【なぜ】
指導の意図は,学級経営の基盤としては変わりませんが,一年生の成長は著しく,子どもの実態は日々変容しています。夏休み前など,ついこの間まで友達とはあまりかかわれなかった子どもが,この頃ではつぶやきも発言も増え,友達関係も豊かになってきているなどという姿は珍しくありません。
ですから,座席を考える際には,どの子どもをどの座席に,誰と座らせて互いを育てるかを考えて取り組みます。一人一人の育ちをその都度細かく見取ることが十分でないと,「毎回同じ友達関係の座席」になってしまいます。現時点での姿を丁寧に見取ることが重要なのです。
指導は子どもどうしで育つことが基盤です。子どもは,無意識ながら互いに触発し合い育ってきています。特にこの時期には大きく成長しています。思い込みや決めつけで子どもを見ていると,座席の位置さえ見誤ります。例えば「時間はかかるがじっくり考えている子ども」は,以前は目立たないためつい見過ごされていましたが,この頃では小さな声でつぶやくようになってきています。授業づくりに大きな役割を発揮するでしょう。発言している子どももその発言内容に広がりや深まりが見えるなどにより,座席の配置も違うのです。成長の早い一年生。一人一人の育ちを丁寧に見取りましょう。
【方法】
友達どうしのかかわりを見取るようにします。学級での約束を守ることや友達への声かけ,休み時間の過ごし方などでの育ちを見取ります。
特に友達を受け入れる態度を見取ります。授業中でのつぶやきや発言に見えてきます。重要なのは友達のつぶやきや発言に対して,どのように反応しているかです。自分が話すことだけに夢中になることなく友達の話も聴く態度が育っていれば,座席を考える上で大きな役割となる子どもです。
子どもは一人一人そのよさに違いがあります。友達が認められることはなかなか受け止めにくい一年生。育ちを丁寧に見取り指導に生かしましょう。